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犬連れへんろ*二人と一匹のはなし*

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2007年 11月 01日 ( 1 )


2007年 11月 01日

第4話 はじめてのお四国上陸

 休みになると、いつも旅行ばかりしていた私たちですが、九州に住んでいるのに、不思議とお隣の四国へ遊びに行った事はありませんでした。何度か旅の候補には上がりましたが、ガイドブックを買っても、今ひとつ、行ってみようという気にならなかったのです。今、考えると不思議なのですが、本当に全然行きたいと思わなかったんですよねぇ。要するに、まだ「お四国に呼ばれて」いなかったのでしょうね。(お遍路さん用語かしら?^^)

c0049299_22454847.jpg さて、平成5年の年末休み、旅行プランを立てているとき、ふと四国のガイドブックの最後に付録のようについていた『四国遍路のやり方』というページに目がとまりました。そこに書いてあったのは…納経帳に納経をしてもらいながら、お寺を巡る、というお遍路の説明でした。「お~!これはまさに四国一周スタンプラリー!一度どんなもんか行って見よう!」と、突然二人で盛り上がり、いざ、お四国へ出発! 宮崎から国道10号線を北上し、大分県佐伯港から高知県宿毛(すくも)港行きのフェリーに乗ったのです。

 フェリーといえば、昔、大阪に住んでいた頃、よく乗った大阪南港から宮崎行きのフェリーでは、専用の映写室のようなところで、毎回『寅さん』が上映されていました(残念ながら今は、やっていません)。九州から四国へ渡るフェリーは、それに比べると、小さくて、庶民的なものですが、いかにも寅さんがひょいと現われそうなムード。船に乗ると、急いで売店でお弁当を買って、甲板のベンチで、波に揺られながら船旅を満喫します。わずか3時間の旅ですが、こののんびりとしたひとときが、海を越えていく私たち二人と一匹を、現実世界から異空間へ運んでくれるのでした。。。

c0049299_14474692.jpg こうして私たちは、初めて四国に到着。前もって車の中で地図をながめ、上陸地点から一番近い、四国霊場第三十九番札所 延光寺を目指しました。山の中の大きなお寺をイメージしていましたが、案外平地にある小さなお寺だったので少し拍子抜け。しかし、じっくり観察してみると、これまで京都や奈良の大きなお寺しか知らなかった私たちは、小さいながらも懐深い感じのするこのお寺に、不思議な魅力を感じていました。ただし、まだこの時は、お参りの仕方も知らず、何をどうすればよいのか全くわからず、ただただ本堂のお賽銭箱にお賽銭を投げ込み、黙って手を合わせるだけでしたけどね^。^

c0049299_9264032.jpg さぁ、次は、お目当てのスタンプ帳(?)を買いに納経所へ。それこそピンからキリまである中で、結局、懐ろ具合と相談した結果、オレンジ色の布でできた一番安い納経帳を手に入れて、いよいよ記念すべき、はじめての納経です。お坊様は、受け取った納経帳を、おもむろに開くと、丁寧に亀の絵のついたハンコを押し、そして、何やら墨でサラサラと書き込みをされてから、静かに納経帳を返されました。思わず、マジマジと眺める二人と一匹…。何が書いてあるのか、よく分からんけど、かっこいい~♪ これで、すっかり嬉しくなって、面白くなっちゃったんだわねぇ。(写真は、高野山の納経)

c0049299_14141590.jpg 実は、お遍路の世界に飛び込んだばかりのこの頃、もちろん何もかも初めてづくしでしたから、まったく予備知識もなくて、大師堂(=弘法大師・空海さんが奉られています)にさえ、お参りしていませんでした。本堂にだけ手をあわせ、お参りし、お賽銭を放り込むと、肝心のお大師様の前はスタスタと素通り♪…お大師様、その節は大変失礼いたしました! しかし、今になってみると、却って何も知らずにお遍路をしていたことで、ちょっとしたことから一つ一つ、自分たちなりに、いろんなことを感じ取り、少しずつ理解を深めていけたように思います。(写真は足摺海底館にて 先代はな、お魚をながめるの図)

c0049299_14193483.jpg また、こんな調子でしたから、正直言って、いろいろな失敗も経験しましたが、そんなあれこれも、あとで振り返ってみると、とてもいい思い出^^。一つ一つ自分の体で体験することで、文字で理解するのとは全く違う、身体で感じる真実がたくさんあるのでしょうね。目・耳・鼻などの五感をフル活用して、何かを感じてみるだけでも、きっと、大きな宝物をみつけることができるのです。あ、そうそう、ここでちょっとご注意。道中、たくさんの出会いがあり、中には親切に色々と教えて下さる先輩遍路さんもおられます。でも、残念ながら、仏教についての認識も、お遍路に対する思いも、そして、信じる宗教や宗派も人それぞれ。人によっておっしゃる事が正反対の場合も、多々あります。ですから、アドバイスやお話はありがたく頂戴しても、実際は、あまりこだわる必要はないと思いますよ。一人一人生き方も違えば、歩き方も、しゃべり方も違うんですもの。どうぞ、お気楽に、そして信じる道を淡々とお進みくださいませ。投げられた言葉に、いちいち迷う必要なし!お釈迦さまだって、ある日突然、前触れもなく、悟りの境地にいたったのだとか…あわてない、あわてない♪ ^^v 
(第5話 1番~17番お遍路記へつづく)

by inuzure | 2007-11-01 19:43 | ■連載シリーズ | Trackback | Comments(10)