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犬連れへんろ*二人と一匹のはなし*

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2008年 04月 04日

第7話 カメラマンがいっぱい~土佐路2001年GWの旅

ゴールデンウィークといえば、行楽日和・青空・こいのぼりがつきものですが、2001年は4月末から雨模様となり、おかげで、私たち2人と1匹のヘンロ旅も、いつもより1日遅れての出発となりました。この年はサラリーマンの週末農業で、初体験の田植えを無事に済ませ、夫婦ふたりで自給自足への第一歩となる米づくりを始めた年でしたので、雨の中、一日かけて草取りをし、すっかり腰が痛くなってから、あわただしく出発です。天気予報では雲マークや傘マークが並んでいたものの「かえって涼しいほうが疲れなくていいか」と言いつつ、いつものように九州からお四国へとフェリーにのりました。
第7話 カメラマンがいっぱい~土佐路2001年GWの旅_c0049299_13372279.jpgさて今回は、室戸岬からの出発です。低気圧で荒れた海と雨上がりの新緑のなか、すがすがしい朝の空気を吸って、2人と1匹の旅がまた始まります。25番札所・津照寺(しんしょうじ)までは、歩きの感をとりもどすようにゆっくりと。「ああ、また四国にきたんだなー」と思いながら、静かに歩きました。本堂へつづく階段を登ろうとすると、先ほど室戸でお見かけした男性が、「ワンちゃんの写真をとらせて欲しい」とのこと。小さな子供と一緒で、動物の写真は思うようにポーズをとってくれず難しいものです。特にはなは、写真が嫌いらしく(笑)カメラをむけられると、フンといった感じでよそを向いてしまいます。にもかかわらず、私たちが心配になるほどフイルムを沢山使って、はなの写真をとって下さいました。おじさん、どうもありがとうございました。

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この頃「はな」は、老犬のくせに無理をしてはしゃぎ、前足首を痛めてしまいました。痛めた直後は3本足で歩くほど痛そうだったので、白内障の飲み薬・目薬に加えて、今度は関節炎の薬(鎮痛剤)も飲んでいます。お寺の階段でも、上りは平気なのですが、下りになると途端に、勢いがなくなるため、階段の下りでは、主人がはなを抱いて下りるようにしました。階段を下りながら、主人は「はなと一緒にへんろできるのも、今回が最後になるかもしれないね。」といいます。若犬の頃から、休みは必ず、この子を連れてお遍路をしていましたので、だんだん歳をとり弱ってくるはなをみるのは、ちょっと淋しいのですが、楽ちんラクチン!という顔をして、主人に抱きついている、その姿は、私を幸せな気分にさせてくれ、これでいいんだ…とも思います。

第7話 カメラマンがいっぱい~土佐路2001年GWの旅_c0049299_13393270.jpgその日は夜から雨になる予報でしたので、早めにテントをはりましたが、予想以上の、横なぐりの雨と雷で、とうとう一歩もテントの外に出られないまま、朝を迎えました。そしてさらに大雨が続き、持っていた少しのお菓子と水だけで、2人と1匹、さらに丸一日テントの中に閉じ込められる事となったのです。しかし、田んぼの草取りと長旅の疲れがあったため、一日中テントの中で、寝て過ごしても、時間をもてあますことはありませんでした。ようやく夕方になって、お天気雨へとかわり、ありがたくお天道様を拝みながら、ひさしぶりのまともな食事です。我が家からの出発を雨で1日遅らせた上、またここで丸一日のロス…、でも一日中、寝てばかりいたお陰で、翌日はうんと早起きして出発することができました。あせらず、騒がず、四国の風景を満喫しながら、今のことだけを考える私たちのへんろ旅は続きます。

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第7話 カメラマンがいっぱい~土佐路2001年GWの旅_c0049299_1342743.jpgさて、次に登場したのは女性カメラマンでした。1人が車を下りて来られて、写真をとってもいいか私たちに確認されると、車に向かって両腕で大きな丸。すると、あと2人の女性が、それぞれ手にカメラを持って出て来られました(ひとりで3つもカメラを持っているひとまでいる!!)。もちろんメインの被写体は「はな」です。「はなちゃん、こっちこっち!」と声をかけながら、すごい勢いでシャッターをきっていきます。私たち夫婦も写真は好きなのですが、お姉様(?)たちの迫力には圧倒されっぱなしでした。宮崎に帰って、カメラ屋の人に、このカメラマンたちの話をすると、昔から高知は写真が盛んな所だそうで、高知県人の気質に合っているのでしょうとのことでした。続く神峰寺(こうのみねじ)でも、夫婦連れのカメラマンに、いっぱい写真を撮ってもらい、どうもこの旅はカメラマンに出会う旅だったようですね(笑)。
第7話 カメラマンがいっぱい~土佐路2001年GWの旅_c0049299_13443344.jpgそして、極めつけが、大山岬の茶屋に夕飯を食べに寄った時のことです。「はな」は台車と一緒に駐車場の隅に待たせていました。すると、どこからともなく沢山の人々が、手に手にカメラを持って現われました。なんと総勢7人!こちらは老若男女のグループで、写真クラブの活動とのこと。私たちが食事をしている間も、待っているはなの周りを取り囲んでおられ、近づきすぎた男性ははなに吠えられたりしていました(笑)。何しろはなは私たちの荷物を見張っているつもりですからね(^O^)店を出ると今度は、歩いている所も写真にとられるとか。車道の向こう側へ渡って、遠くから撮る人、私たちを追い越して、走って行ってから振り向いて撮る人、大きなカメラを持って走ったのでフーフーと息を切らしているおばあちゃん。道を行く人も、何事かと振り返っておられます。アイスクリン売りのパラソルの前を通った時は、おばちゃんがびっくりして席を立ち、どんな有名人が通るのか?!という顔をされていました。
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静かな夏、冬の遍路とはちがい、GWは慌ただしくまわりの時間が過ぎていきます。今日もまだ泊まるところが見つからず、少し気持ちも焦ってきました。やっとカメラマンから解放され、寝る場所さがしに集中しながら、暑くなった夕方の道を西日に照らされながら歩き続けました。

第7話 カメラマンがいっぱい~土佐路2001年GWの旅_c0049299_13463634.jpgところで、お四国では時々不思議な出来事に出会いますが、懐かしい方との再会もその一つです。数年前に出会った歩き遍路さんに、偶然またお会いする事も一度や二度ではありません。この時も、たまたまカメラマン7人グループの中のNさんが「もしや…」と声をかけて下さいました。お顔を見てアッと思い出したのは、数年前、29番札所・国分寺の山門にて、夏の暑い夕方「今晩はどこに泊まろうか」と思案中、ご夫婦でカメラをもち、何枚か写真をとって下さった方でした。お話によると、あの時の写真は手ぶれしていたので送れなかったとか。私たちも、そのうちすっかり忘れてしまっていましたから、どうぞお気になさらずに、と笑ってお別れしました。その翌日の夕方、ちょっと気が重くなる「犬猫入るべからず」の大日寺に到着してみると、何とそこにNさんが、奥さんをつれて待っていて下さったのです。本当にご縁とは不思議なもので、たった二度しかお会いしていないのに、お大師さまの引き合わせと思うと、親戚のおじちゃん・おばちゃんに再会したように、懐かしさを感じます。奥さんも再会を喜んでくださり、私たちがお参りをしてくる間、はなを車に預かっていただき、とても親切にしてくださいました。
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第7話 カメラマンがいっぱい~土佐路2001年GWの旅_c0049299_13504970.jpg今回の打ち止めのお寺は30番札所・善楽寺(ぜんらくじ)。お昼前にお参りを終えると、いそいで主人は、室戸岬に置いてきた車をとりに向かいました。電車とバスを乗り継いで、さらに車で、また30番さんまで戻ってくるのに、半日がかりです。その間、私とはなは、ず~っと善楽寺の境内で待たせていただく事にしました。半日も境内に座っていると、それはそれは沢山の方が、お参りして行かれます。おばあちゃまの手を引いた家族連れ。大人数で歌うように朗々とお経を上げていかれる団体さん。そして、大人よりも大きな声で、立派に般若心経を唱える子供たち。このような沢山の人達を見ていると、まだまだこの国も、捨てたものではないなぁ…と思えてきて、何だか嬉しくなってきました。途中、日焼けした肌に鮮やかな黄色い僧衣をまとった、珍しいタイのお坊さんも来られ、托鉢用の器には、沢山の方が食べ物やお布施を入れて行きました。中には、近くに座っていた私のほうにも来られて、はなの水飲み用どんぶりにお金を入れようとされた方もいらっしゃいます(笑)。器の中に水が入っているのをみると、かわりに私の手の平に、チョコンと百円玉をのせて、「がんばってね」と声をかけて下さいました。

午後5時をすぎると、時々、納経所の方へ駆け込んでくる人はありますが、そのうちガランと人気のない境内になります。お寺のかたも、トイレの掃除をしたり、ろうそくの片づけをしたり、本堂・大師堂などの戸締まりをしたりされて、やっとお寺の一日が終わるのです。しとしとと降り続く冷たい雨の中、軒下で雨やどりをしていた私とはなでしたが、お寺の奥様のご好意で、雨に濡れないお堂のほうへ移動させていただきました。そして、もう薄暗くなった午後6時過ぎ、行楽帰りで大渋滞の国道を通り、さらに大混雑の高知市街地をやっと通り抜けて、主人の乗った車が無事に善楽寺の静かな駐車場へと入って来たのでした。

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by inuzure | 2008-04-04 12:58 | ■連載シリーズ


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