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犬連れへんろ*二人と一匹のはなし*

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2008年 01月 17日

第6話 ミレニアムの冬

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 2000年の暮れ、この年末年始の休暇も、仕事おさめのあとに少しだけ仮眠を取り、深夜にあわただしく出発しました。3日前に、ヘンロ旅の準備を始めると、“はな”は、ソワソワして上機嫌です。飼い主が何をしてるのか理解して、あっちへこっちへにおいを確認しながら、ニヤついています。どうやらこの子も飼い主に似て、旅に出るのが大好きなんですね。
 さて、今回の旅は、18番恩山寺(おんざんじ)からです。20番鶴林寺(かくりんじ)へ向けて、険しい山へと入っていきますので、まず、はなちゃん専用台車は、その後のルートを考え、前もって22番平等寺(びょうどうじ)に預かっていただきました。(↓鶴林寺、通称「おつるさん」にて)
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 それにしても、はなはすごく元気。人間で言えば60才を越えた老犬にもかかわらず、山へ入ると、とても若返り、力がよみがえってくるようです。私たちがはなの荷物も背負って、ヒーヒー言っているのも、どこ吹く風で「早く行こうよ!」といわんばかりに、先にぴょんぴょこ進んでは、あえぎながら歩いてくる私たちを振り返ります。

第6話 ミレニアムの冬_c0049299_23552851.jpg そんな元気なはなも、実は3年前に、ここでリタイヤした経験があります。冬の冷たい雨の中、山を下っていき、人間用カッパをハサミで切って着せたものの、歩きにくいのと寒さと疲れで、すっかりグロッキー。平等寺に着いた時には、はなの全身はガタガタ震えていました。そのため、そこで旅を打ち切って、九州に戻らざるを得なかったのです。しかし、今回は準備万端。犬専用の赤いレインコートも着せましたし、幸い雨もそれほど強くなかったため、順調に、無事に山を下りることができました。そして、なぜか前回の旅にひきつづき、ここでも平等寺に着いた途端、ものすごいどしゃ降りの豪雨。毎度のことながら、勝手に、「お大師さまに守られている!」と感謝しつつ、山門でゆっくりと雨やどり休憩をさせていただきました。(↓雨やどり中)
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 この夜は2000年12月31日、いよいよ大みそか。20世紀から21世紀へと続く遍路旅です。小雨が降り続いていたため、当初の目的地、田井の浜まで出ることをあきらめ、途中の大きな杉の下で眠ることにしました。いつもの年はテントの中で二人と一匹身を寄せ合い、除夜の鐘を聞きながら年を越すのですが、今年は強風波浪注意報が出ている中でのテント泊まりです。時折、木々の枝を揺らして、ゴーゴーとふく風の音は聞こえましたが、大杉のふところに守られて…という感じで、静かに年は暮れていきました。紅白も、年越しソバも、何もない私たちのテントにも、21世紀の到来を告げる、たくさんの花火の音がドドーンと届き、そして、21世紀を迎えてはじめての朝も、私たちは、ただ白い息を吐いて、二人と一匹、静かに歩き出しました。

 さて、初詣で大混雑の23番薬王寺を打ち終えると、いよいよ室戸へと続く、長い長い海岸線。文字どおり空と海を満喫できる道行きです。夏には日陰を求めて、フラフラしながら汗びっしょりでさまよった道も、すばらしい景色と暖かい陽射しに恵まれて、快適に歩くことができます。(↓おばーちゃんにも人気のお遍路犬はな)
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 途中で、まっすぐの国道から、遍路道の集落のほうへ曲がったとき、そのまま、海沿いの国道を進んで行かれたご夫婦連れの、奥様が、チリンチリンと鈴を鳴らしながら、追いかけて来られました。何事かと思い、振り返ってみると、何と青い目の歩き遍路さん! 実際に目の色は確認しませんでしたが(笑)外国人女性でした。ビックリしている私たちに、「OKですか?」とたずねてから、台車に乗ったハナと私たちの写真をとられ、「カワイイデスネ」と言い残し、あっと言う間に国道のほうに戻って行かれました。珍しい外国人のお遍路さんを、私たちもぜひ写真にとりたかったのですが…、何しろ突然の出来事で、カメラを出すチャンスを逸してしまいました、ああ、残念!
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第6話 ミレニアムの冬_c0049299_004525.jpg その後、私たちは遍路道をはずれて寝る場所を探しに浜辺におりましたので、そのご夫婦とは会うことができず、「あ~写真とりたかったな~」と思いつつ、真っ暗になった5時ごろにはもうテントの中でウトウト…そして、彼らの鈴の音だけが、すぐ上の堤防を通り過ぎていきました。
 翌日は、いよいよ今回の打ち止めのお寺24番最御崎寺にお参りです。気持ちのいい朝、室戸岬に到着してみると、なんと岩場を散策する、あの外人さんご夫婦を発見! 「コンニチハ~!ハーイ!」とお互いに手を振りあって、御蔵洞(みくろど)の前で、やっと彼らと一緒に、記念撮影をすることができました。やった~♪

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それからは、カタコトの英語とカタコトの日本語でお話をしましたが、彼らはオーストラリアから来たご夫婦で、もう一日歩いてから、高野山へもお参りに行かれるとか…。すごいなぁ。最御崎寺の境内では、なんと「オ接待シマス」と言って、無口なご主人が缶コーヒーを買って下さり、思わぬ異国のお遍路さんからお接待までいただいて、身も心も本当に暖かい、素敵な旅のしめくくりとなったのでした。
(ローズマリーさんご夫婦からお接待のコーヒー→)

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最後のおイナリ争奪戦2001
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by inuzure | 2008-01-17 10:20 | ■連載シリーズ


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