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犬連れへんろ*二人と一匹のはなし*

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2008年 01月 03日

第5話  ぐるぐる遍路(2000年8月)

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 私たち二人と一匹は、この2000年夏、ついに記念すべき10回目のヘンロの旅を始めました。それまでの数年間、GWも夏休みも、そして冬休みも、まじめにお遍路一筋でやってきましたから、99年の大みそかに高野山にお参りしてから、半年以上経ってしまい、もうウズウズして我慢ができません。台風が近づいていたにもかかわらず、「ひとまず四国に渡ってしまえ!」と、思い切って、大分・臼杵港からいつものフェリーに乗っていました。
第5話  ぐるぐる遍路(2000年8月)_c0049299_20564626.jpg 8月14日(月)早朝に1番(霊山寺)さんに着いて、車を一週間置かせて頂けるようお願いしてから、納経所にて「歩き遍路ノート」(?)に名前を書きます。今回は、私たち夫婦も40代をむかえ、愛犬「はな」も10歳を超えましたので、無理せずのんびりと歩かなければね。でも、わかってはいたものの、やっぱりこの真夏の暑さにすっかりやられましたねぇ。(↓水路に座り込むはな)
第5話  ぐるぐる遍路(2000年8月)_c0049299_20592126.jpg もう、この頃トレードマークになっていた「はなちゃん専用台車」は、山道に持って行けませんので、焼山寺越えのコースは大きな荷物(リュック)を背負って山歩き…もうダメ!完全にバテバテです。健脚のつもりだったのにおかしいなぁ…すっかりゆる足ペースです。結局のところ、11番藤井寺から12番焼山寺に、なんと8時間もかかってしまいました。でも、そうやって息も絶え絶え、がんばったお陰でしょうか、私たちがヘロヘロになって焼山寺に着き、本堂、大師堂にお参りをした途端、ものすごい豪雨が降り出しました。山登りの途中だったらと思うとゾッとしますねぇ。きっと、お大師さまが見ていてくださったに違いありません。雷まで鳴り出し、それはそれはものすごい雨だったのですが、本堂でしばらく休憩がてらに雨やどりをしていると、だんだんと小降りに…。(↓豪雨の間、軒先での雨やどり)
第5話  ぐるぐる遍路(2000年8月)_c0049299_211025.jpg そして、私たちが野宿する場所を探して、テントを張る頃には、もう地面はすっかり乾いておりました。「本当に今日も一日、お守りいただき、ありがとうございました!」と、良くよく、お大師さまにお礼を言ったことは言うまでもありません。第5話  ぐるぐる遍路(2000年8月)_c0049299_216539.jpg


 そういえば、もう一つお大師さまにご面倒をおかけしたのを思い出しました。実は、今回1番さんで出会った若者ヘンロK君からもらった納め札、「あとで、一緒に撮った写真なんか、送らなくちゃねぇ」と思っていたのですが、その住所の書いてあるお札を紛失。休憩ごとに、ずた袋の中をごそごそと捜していたのです。寝る前にも、もう一度、懐中電灯をつけて、ずた袋の中を捜索したのですが、やっぱり見つからず、ちょっとがっかりしつつ、眠ってしまいました。あまりに気になっていたのか、その夜の夢は、納め札を見つけて喜んでいる夢、しかも何度も同じ夢を見ているうちに、日の出を迎えてしまいました。
 さて、いつものように、お日さまの光を浴びて目を覚まし、「あ~お札のことが気になって、夢にまで見ちゃった…」と言いながら、ずた袋のふたをめくったときです!なんと昇ったばかりの朝日が照らしてくれた、ずた袋のふたの裏側に、くっきりと納め札の輪郭が透けて見えるじゃありませんか!そうです、見事、いただいたお札、発見することができました。良かった良かった!私、大喜び!「ありがとうございます。お大師さま、ありがとう!」…でもね~お大師さまは、「世話のやける奴だ」って、こぼしていらっしゃるかも知れませんわね(笑)。
第5話  ぐるぐる遍路(2000年8月)_c0049299_21103585.jpg
 四国遍路は徳島県鳴門市の霊山寺(Ryo-zen-ji)から始まります。この1番札所のお寺から、10番札所までの間は、足ならしの意味もあるのか、短い間隔で歩きやすく、せいぜい数キロ歩けば次のお寺に到着。ですから、12番札所へ向かう難所の山歩きを終えれば、また里のほうに下りてきて、ひと段落するのです。このときは、最終日、17番井戸寺までお参りさせて頂きましたが、最後の最後になって、もうひと波乱(苦笑)。私の日頃の行ないが悪かったのかしら…、13番大日寺さんの自動販売機でお茶を買った時、こともあろうに財布置き忘れ事件発生!(我ながら、あきれました…)気づいたのは、もう九州へ向かって、車を走らせている時でした。
第5話  ぐるぐる遍路(2000年8月)_c0049299_21114881.jpg
 この時のショックは大変なもので、すてきな旅の思い出は、完全にぶち壊し!九州へ帰ってからも落ち込んでしまい、できることなら、もう一度、旅を最初からやり直したい気持ちで一杯になっていました。ところが、やけくそで徳島の警察に電話したところ…、なんと拾って下さった方がいらっしゃったのです!こんな世知辛い世の中に、そんなことが本当にあるのかと、びっくりするやら感謝するやら…。拾ってくださった方へ、少しばかりお礼の品を送らせていただくとともに、またしても「やっぱりお大師さまが助けてくださった」という、感謝の気持ちで一杯になりました。
第5話  ぐるぐる遍路(2000年8月)_c0049299_21135365.jpg
 歩き遍路に出るたびに、毎回いろんな出来事があり、たくさんの人や事件と出会います。その中には、もちろん良いことも、悪いこともあるわけですが…、そのすべての事柄は、平凡な忙しい毎日を送る私たちの、かけがえのない思い出となって、私たちの心に刻みこまれていくのです。
(第6話 「ミレニアムの冬」へつづく)

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by inuzure | 2008-01-03 12:02 | ■連載シリーズ


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